いつもいろいろお世話になり、ありがとうございます。
ずっと慌ただしい日々が続いていて、ご連絡が遅くなりましたが、 思いがけず、拙著に受賞の知らせが届きましたので、お知らせいたします。
4年前のサントリー学芸賞に続いて、今回も学芸賞です。

14日夜、角川文化振興財団から、拙著『編集者国木田独歩の時代』が、 今年度の「角川財団学芸賞」に決定した、という連絡がありました。
選考委員は鹿島茂氏、姜尚中氏、福原義春氏、山折哲雄氏で、 姜尚中氏と福原義春氏が強く推してくださったそうです。
国木田独歩没後百年(2008年)の最後に、 こういうプレゼントをいただけるとは、予想もしていませんでした。
フリーランスにとって、副賞(百万円)は思いがけないボーナスのようでうれしいです。
贈呈式は12/1に東京會舘で行われます。取り急ぎお知らせまで。

                   2008年10月18日

黒岩比佐子


大変ご無沙汰しております。相変わらずフリーランスで、主として歴史ノンフィクションを書き続けていますが、おかげさまでここ数年は、本の執筆、雑誌への寄稿、講演など、さまざまな機会をいただき、忙しくしています。

昨年12月には『編集者国木田独歩の時代』(角川選書)と『食育のススメ』(文春新書)の2冊を上梓し、今年は1月から今月までに講演や講義を10回することになり、あちこちを駆け巡っていました。

この7月と8月に新書が2冊出ましたので、宣伝で恐縮ですが、お知らせいたします。

お近くの書店などで御覧いただければ幸いです。1冊は、むのたけじ氏へのインタビューを私がまとめた『戦争絶滅へ、人間復活へ――93歳・ジャーナリストの発言』(岩波新書)です。7月20日発売、税込み735円で、8月に重版が決定しました。

「琉球新報」「東京新聞」「毎日新聞」「図書新聞」「読売新聞」「日本経済新聞」「解放新聞」「朝日新聞」「サンデー毎日」「週刊ポスト」「週刊読書人」などで紹介されました。敗戦の日に戦争責任を取って朝日新聞社を辞めたむのたけじ氏が、核兵器廃絶や憲法九条をめぐって思いを語っています。むの氏は1915年生まれで現在93歳。新聞記者になったのは2.26事件の年でした。従軍特派員も体験し、慰安所のことなど、当時の日本のジャーナリズムについても貴重な証言をしています。

これまでにも多くの反響が寄せられて、息子や娘に読ませたい、とおっしゃる方もいました。戦争について考える上で、絶好のテキストになる本だと思います。ぜひ一度、ご覧になってみてください。

もう1冊、8月20日には拙著『歴史のかげにグルメあり』(文春新書)が発売されました。税込み840円です。これは『文學界』に1年連載した原稿をまとめたもので、歴史のなかで著名な人物と事件と「食」とのかかわりを描いたものです。

時代はペリーが来航した幕末から明治の終わりの大逆事件までですが、日清戦争や日露戦争にしても、その裏側にはさまざまな会食や宴会や接待がありました。そのテーブルの上には何が乗っていて、何が話し合われたのか。政治や外交は饗応によって動くものだ、ということを痛感します。雑学としても楽しめるお買い得な1冊だと思います。
以下に目次を紹介します。

第1章 本膳料理に不満を抱いた米国海軍提督――マシュー・C・ペリー
第2章 最後の将軍によるフランス料理の饗宴――アーネスト・サトウ
第3章 天皇が初めてホストを務めた日――明治天皇(1)
第4章 ダンスと美食による鹿鳴館外交――井上馨
第5章 怪物的な政商と帝国ホテルの料理――大倉喜八郎
第6章 大津事件とロシア軍艦での午餐会――ニコライ皇太子
第7章 河豚の本場で開かれた日清講和会議――伊藤博文
第8章 旅順陥落のシャンパンシャワー――児玉源太郎
第9章 “食道楽”作家とロシア兵捕虜の交流――村井弦斎
第10章 ガーター勲章と宮中晩餐会――明治天皇(2)
第11章 稀代の食通だった“風流宰相”――西園寺公望
第12章 アナーキストの「菜食論」――幸徳秋水

最近は更新をさぼり気味ですが、ブログ「古書の森日記」というのを4年前から書いています。そこでも拙著を紹介していますので、よかったら御覧ください。拙著がご縁で芥川賞を受賞した楊逸さんとお会いしたことを、以下の8月11日のブログに書いています。

http://blog.livedoor.jp/hisako9618/archives/51460143.html

長くなりましたが、読んでいただきましてありがとうございます。
今後ともどうかよろしくお願いします。   

        2008年9月15日                黒岩比佐子